【企業研究】アルバック(液晶・半導体製造装置)

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今回は、「真空技術」のプロである株式会社アルバック(ULVAC)についての企業研究記事を書いていきたいと思います。

 

この会社は、1962年に松下幸之助が投資して建てた会社であり、技術力に秀でた会社になります。

こういう技術力のある会社って、メディアでもたまに特集が組まれたりするんですけど、そもそもそういう番組ってある程度のレベルのビジネスマンじゃないと観てないんですよね。

 

結果、「何をやっているのかよく分からない」ということになってしまいます。

今回は、そんなアルバックについて企業研究していきたいと思います。

 

アルバックってどんな会社?

アルバックは、従業員約1300人(連結約6000人:グループ会社・約15社)、年商約2500億円の大手企業です。本社は神奈川県の茅ケ崎にあります。

 

作っているのは、いわゆる「装置」です。

 

特に、液晶パネルを作るための装置では、世界シェア70%を占めており、売上高の半分近くを担っています。

 

つまり、お客さんは韓国(サムスンやLGディスプレイ)や中国(BOEやPanda)などが半分近くを占めます

 

冒頭でも書いた通り、アルバックは「真空技術のプロ」です。

 

もっと言うと、「真空を利用して『くっ付ける』プロ」です。

 

この、「真空技術」が無いと、世の中の多くの製品は作れないのです。

 

「真空」について

「真空」をどう活かした装置を作っているのか。

 

これは特に文系の方にはなかなか想像しにくいと思います。

 

具体例を挙げますと、水の沸騰に関して。

 

私たちの常識ですと、「水は100℃で沸騰します。

 

しかし、真空環境下では、「水は常温でも沸騰するんです!!

 

つまり、「低い環境で物質を蒸発させることが出来る」のです。ということは、熱に弱い電子部品などを痛めることなく、水を蒸発させることが出来ます。

 

他の物質も同じです。

 

アルミは約2000℃で蒸発するのですが、真空環境下であれば約1000℃で蒸発します。

 

これなら、省エネ(節約)で蒸発させられますよね?

 

アルミを蒸発させる「蒸着(くっ付ける)」技術がアルバックの核となる技術です。

 

アルミって色々なところで使われるのですが、精度良く貼り付けるには、この「蒸着技術」が最適なんです。

 

液晶製造装置で大手級

アルバックが得意なのは、「蒸着技術」ではありません。

 

何度も言いますが、「真空」の特性を活かした装置の生産です。

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液晶パネルの製造装置では、「スパッタリング装置」というものが物凄く売れています。

 

これは、真空環境下で、プラズマを飛ばして金属の「原子」を飛ばしてくっ付ける技術が用いられています。

 

「すいへーりーべーぼくのふね」で覚えた人間には見えない原子を飛ばすことが出来るのです。原子を飛ばして、膜を貼り付けます。

 

この技術が無いと、液晶パネルは完成しないのです。

 

液晶パネルの基礎知識

液晶パネルは、大きさによって呼び方が変わります。(これ、業界知識ですので、液晶パネルに関わるビジネスマンなら知っておきたいです)

・G6.5:小型パネル(スマホ)
・G8.5:中型パネル(スマホやタブレット、その他液晶画面)
・G10.5:大型TVディスプレイ

アルバックは、大型テレビ向けの大型装置のシェアが圧倒的です。

 

現在では、ディスプレイ業界では①液晶ディスプレイ、②有機ELディスプレイの2種類が殆ど全てです。

 

どちらも、何十種類もの装置を駆使して作るのですが、アルバックはその中の1分野で圧倒的な立ち位置にいるのですね。

 

次世代開発分野とは?

今発表されている次世代の開発分野としては、リチウムイオンバッテリーの製造装置です。

 

これも「真空」を利用して「蒸着」させる技術を駆使します。

 

アルバックの開発がうまく行けば、これまでと同じで大きさで、要領の大きい電池を使うことが出来ます。

 

電気自動車の1充電での走行距離が2倍になるほどと言われています。

 

そういう意味では、アルバックの今後には注目ですね。

 

こんな人は就職を検討しても良いかも?

営業で言うと、お客さんの殆どは、液晶パネルメーカーです。

 

液晶パネルの大手は、殆どが韓国と中国。

ですから、中韓に興味がある人は活躍できるチャンスがきっと多いでしょう。

 

また、今後はリチウムイオン、ひいては電気自動車業界でも大きな躍進が期待できます。

電気自動車という新しい変化の波に乗っていきたい人にはオススメの会社です。

 

一方、リスクとしては、やはり中国企業がメインの客先になってきますので、中国経済を常に監視しておく必要があります。

まあ、それを言ったら中国リスクというのは今やどんな会社にだってありますから、「独自の技術」という本質的な企業価値を追求して、就職や投資をしていくべきでしょう。

 

おわりに

まとめますと、アルバックは「真空を利用して、くっ付けるプロ」になります。

 

液晶パネルの製造装置では世界シェア7割の製品も販売しており、非常に技術力の高い会社になります。

 

ちなみに半導体の製造装置でも準大手級の立ち位置です。液晶と半導体は、作り方が似ているので、アルバックの装置は半導体でも使われることがあります。(競合企業のアプライドマテリアルズや東京エレクトロンが強い)

 

今後は、リチウムイオン電池分野での活躍も期待でき、日本で数少ない、今後も世界で戦っていける企業だと思います。

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この記事の著者

Rid

とある化学メーカー勤務のサラリーマン。部署内、歴代最速で昇級。歴代最速で新卒の指導員。製造業の現場から、経済を俯瞰している現場の沸騰経済学者。科学の発展と経済の未来を考えるのが好き。
一方では、会社員での給料を元手に投資の世界へ。為替を主戦場として、金融の世界からも世界経済を観察している。

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