三菱電線のOリング改ざん問題から見る日本のモノづくりの未来とは?

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三菱電線の航空機用Oリングのデータ改ざん問題により、「Made in Japan」の信頼が損なわれています。

ここ近年、旭化成や住友ゴム、東芝、神戸製鋼やスバルなどの有名企業の不正が明るみになっております。

私自身、化学メーカーで働いている身としましては、「鉄鋼、ゴムと不正が明るみになったので、次は化学系で何か不祥事が起こるかもしれない。それがうちの会社なんてことにならないように、日々のコンプライアンスは徹底しよう」と特にこの1年は気を使っています。

 

そんな中、遂に来ました三菱電線のゴムパッキン。樹脂製Oリングという報道もありますが、どちらにしても液体やガスが漏れださないようにするための封止部品です。

 

 

非鉄大手の三菱マテリアルは23日、連結子会社である三菱電線工業(東京)と三菱伸銅(同)の2社が、検査記録データの改ざんなど不適切な行為により、顧客が求める品質や社内基準を満たさない「不適合品」を出荷していたことが判明したと発表した。不適合品を納入した可能性がある顧客数は三菱電線が229社、三菱伸銅が29社。三菱電線の納入先には防衛省も含まれ、自衛隊の航空機や艦艇に不適合品が使用されていた。
三菱マテリアルは同日、「多大なるご迷惑をおかけし、深くおわび申し上げる。品質管理体制の強化を図り、再発防止に努める」とする竹内章社長名の謝罪文を発表した。
子会社2社の不適合品に関しては「現時点で法令違反行為や安全性に疑いが生じる事案は確認されていない」と説明。また同じ連結子会社の三菱アルミニウム(東京)でも不適合品の出荷があったが、全ての納入先と安全性の確認が終わっているとしている。
三菱電線が品質データを改ざんしたのは、水や油などの漏れを防ぐ「Oリング」と呼ばれる樹脂製のシール材で、航空機や自動車、電力機器などに幅広く使われている。昨年12月に親会社の三菱マテリアルが行った監査を機に、三菱電線が社内監査を進めた結果、今年2月に不適切行為の存在が判明。事実確認した上、10月23日に不適合品の出荷を停止し、同25日にマテリアルに報告したという。
また三菱伸銅では、車載端子に使われる「黄銅条」と呼ばれる合金について強度などのデータを改ざんしていたことが10月に社内調査で判明。同月18日に不適合品の出荷を停止し、翌19日にマテリアルに報告したとしている。
三菱マテリアルと子会社が不正問題を公表した23日は、三菱電線が不適切行為を把握してから約9カ月も後。同社と三菱伸銅が不適合品の出荷を停止してからも約1カ月が経過している。問題判明から公表まで時間がかかったことについて、三菱マテリアルは「詳しいことは24日の記者会見で説明する」(広報室)としている。
一連の問題を受け、同社は10月30日に社内の対策本部を設置。他にも品質問題がないか確認する臨時調査も進めている。子会社2社では、それぞれ11月中旬に社外の弁護士を含めた調査委員会を設置し、問題の原因究明と再発防止策の策定に取り組んでいるという。(2017/11/23-20:49) jiji.comより引用

 

三菱電線工業のHPを見ますと、確かにボーイング社向けのOリングが掲載されています。

 

よくよく見ますと、こちらの「カルレッツ(R)」はデュポン社の商標ですね。

三菱電線は正規代理店として開発・製造・販売を手がけていたようです。

 

樹脂製というより、樹脂とゴムの間のような材質ですね。フッ素系のエラストマーで、フッ素樹脂と違うのは分子構造に架橋部分があり、これにより熱や強度で安定した物性を保つというもの。ゴムと樹脂の両方の特性を併せ持つようです。Oリングとして優れたパフォーマンスを発揮する材料ということで一般の方は認知しておけばOKです。

ちなみに、フッ素でよく知られているのは「テフロンコーティング」です。フライパンとかでお馴染みですよね。テフロンは耐薬品性と滑り特性に優れています。

 

さて、話は戻りまして「カルレッツ(R)」ですが、納入先に対する品質の保証は供給責任のある三菱電線が社内で検査規格を取り決めているはずなのですが、納期や歩留まりの関係で、検査を甘めにして出荷してしまったのでしょうか。報道では、客先に合わせたデータの改ざんや自社規格内への改ざんをしたとのことですが、詳細は未だ不明確です。

 

同社の販売体制が直接販売なのか商社を経由する代理店商売なのかはわかりませんが、かなりの客先に製品が行っているようです。

 

この問題により、日本のモノづくりの信頼がますます落ちてしまったように思います。

 

特に、日本国民が「神戸製鋼の問題もあったし、日本のモノづくりって意外と大したことないじゃん」と言い始めてしまったことが問題でしょう。

ただでさえ、若者はプログラミングなどのIT業界に従事する流れになってきています。

 

私も、業界を見回しても20代は本当に希少人種であることを常日頃から実感しています。

恐らく三菱電線も、現場の人手不足に悩まされているのではないでしょうか。人手が足りないと1人1人の仕事の負担が増え、このような不祥事につながります。

 

今後ますます製造業に人材が流れなくなり、このままでは日本のモノづくりはどんどん世界に埋没していくことでしょう。

 

ただし、まだ活路はあるんですね。

ピンチはチャンスとはよく言うもの。人材不足だからこその業界の流れがあるわけです。

 

そう、2017年はなんといってもAIやIoT元年とも言える年。

半導体業界が大きく動き始めたばかりですから、これからAIやIoTは確実に普及していきます。

そんなとき、若者のIT技術が製造業でも必要になってくるんですよね。

 

特に、人材が集まらない製造業はITの力が必須です。

加えて、この業界は死ぬほどアナログ。恐らく三菱電線もスーパーアナログな会社だと思います。私は色んな会社を見てきましたが、ハイテクな工場なんて滅多に見ませんからね。どこもボロボロな建屋でモノづくりをしています。

 

ですから、製造業におけるITの競争の敷居は非常に低く、稼ぎたい若者は参入さえすればめちゃくちゃ活躍出来ると思います。

おじさんたちもITの必要性はわかっていますが、そこはやはり若者の方が能力は高い。

 

若者の間ではアフィリエイトとかYoutuberとかが現在の主流の稼ぎ方になりつつありますが、製造業で役立つIT技術やサービスを生み出せば、きちんとした実業として成り立ちますし、大きく稼げると思います。

 

IT化をいち早く推進することで、日本のモノづくりは世界と対等に戦うことが出来ます。(特に中国はIoT先進国を目指しているので、日本も製造業のIT化を早く進めないと取り返しが付かないレベルにまで離される)

 

というわけで、このまま行くと日本のモノづくりはますます暗闇へ向かうことになりますが、ITに強い若者の力次第ではまだ復権の可能性はあるということでこの記事を終わりにしたいと思います。

 

 

 

 

 

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