終身雇用制度の崩壊と国際競争力の維持についての考察

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最近、経団連の中西会長が⇒「終身雇用を続けるのは難しい」という発言をしたことが話題となりました。

 

「欧米では転職が当たり前だ」

「これからは若者が企業を選ぶ時代だ」

 

などの意見が飛び交っていますが、そんなに楽観視できない状況だと思います。

 

今回は、これに対する私の所感をつらつらと書いていこうと思います。

 

 

終身雇用制度の崩壊は当然の流れ

 

そもそも、終身雇用という雇用形態が異常でした。

 

どんなに実力の無い、使えない社員でも、長く在籍することで給料も地位も上がっていくそのシステムは、はっきり言って意味が分かりません。

 

私も新卒で大手企業に入社しましたが、「どうでもいいけど、これで管理職としての給料もらっているの?若手の自分とやっている仕事変わらなくない?」というような人を今まで何人も見てきました。

 

感情論で意見を語る人、そもそも自分の意見を言わない人、ゴルフと会食しかしない人・・・。

 

どれも終身雇用制度の弊害だと思います。固定費用がかさむ社員は企業としては要らないのです。

 

ですから、終身雇用制度が無くなるのは当然の流れです。

 

日本にお金が無くなってきた

 

これはつまり、「日本企業が儲からなくなった」ということです。

 

今までは、高度経済成長や貿易差益でため込んだ外貨が大量に日本にありました。

 

ですから、その大量のお金を日本国内だけで回していれば、景気は循環したのです。

 

しかし、今は海外で儲かる企業が殆ど無くなってきました。

 

半導体のチップメーカーがソニーと東芝以外無くなってしまったのがその典型例ですよね。携帯電話(スマホ)のメーカーも、今やAppleとサムスン、Huaweiなどの海外メーカーしか生き残っていません。金融の世界でも、いつだって日本人は海外の機関投資家に搾取され続けています。

 

つまり、日本に大量にあったお金が、海外に流れているんです。

 

日本全体が貧乏になってきているんです。

 

しかも、少子高齢化・人口減少が堅調な日本は、外国人がわざわざ日本に来て商売をしようとするメリットがありません。

 

今や国内で、日本人をお客さんにするビジネスは、「単に小さいパイを取り合っているだけ」ということになります。

 

そんな状況で、使えない社員に給料を払っておく余裕のある企業は殆どありません。

 

だからこそ、終身雇用制度は無くなっていく未来しかないのです。

 

従業員が多いと、方向転換しにくい

 

1つの事業に大量の従業員を使っている企業は、今後危ないと思います。

 

スマホの液晶パネルを作るビジネスに、関わっている人が1万人いるとします。

 

その液晶パネルが売れていれば問題ないですが、売れなくなった時がやばいのです。

 

例えば、売れなくなって売上高も利益も半分になった時(100億円⇒50億円)

 

5000人を別の事業に移さなければいけないのですが、5000人が携わって50億円売れるビジネスがいきなり出てくるワケもありません。

 

そうなると、リストラの未来しかありません。

 

例えばこれが、100人だけの話であれば、もっと気軽に簡単に人的資本を移動させることが出来ます。

 

つまり、「大きい船ほど舵を切るのが大変」ということ。

 

これからの時代は、5Gの登場によって、ビジネスにおけるスピード感はどんどん増していきます。

 

その速いスピード感の中で生き抜ける企業は、「舵を切る(損切り)が早い企業」なんじゃないかと思います。

 

 

終身雇用は若手を安く使えるシステム

 

話は終身雇用制度に戻りますが、このシステムは、若手を安く雇うことが出来るシステムでした。

 

今でこそ1社で骨を埋めるつもりの若手は少ないかと思いますが、ある意味ではこのシステムのおかげで、日本企業に就職する人が未だに多いんだとも思います。

 

終身雇用が崩壊することで、転職市場は活況になります。

 

そうなると、辞めるのが当たり前。転職が当たり前。実力さえあれば、いつだって求人がある。

 

こうなると、安月給の若手は今よりもすぐに転職するでしょう。

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そもそも、1社目から高給な中国企業などに行く人も増えるでしょう。どうせ日本企業でもリストラリスクがありますからね。

 

企業側は、使えないベテランの給料を削り、実力ある社員に還元する必要が出てきます。

 

しかし、日本人の年功序列意識、お友達経営文化からすると、いきなりそんなこと出来る企業は多くはありません。

 

となると、若手がいないおじさんばかりの企業、というのが増殖します。

 

製造業の中小なんかは、実際には今でもそういった会社が増えています。

 

これが今後はもっと加速し、継承できずに潰れる企業が多発するでしょう。

 

 

実は中小企業は大事だった

 

AmazonやFacebook、Googleなどの巨大企業のサービスに、日本企業は全くついていけていません。

 

Appleこそ製造メーカーですが、やはり日本企業が勝てるとしたら、製造業なんですよね。

 

なぜなら、製品に語学は不要だからです。

 

世界的なサービスプラットフォームを展開するには、やはり中国語や英語が堪能な民族が従事するのが自然な流れ。

 

日本人が生き残るとしたら、やはり語学不要の製造業だと私は考えます。

 

特に、少子高齢化社会だからこそのロボット製造であったり、免振技術、半導体製造装置や工作機械や食品業界。

 

メーカーは比較的多くの企業が世界でも戦えています。

 

しかし、そんなメーカーのサプライチェーンを深く見てみると、中小企業(部品メーカーが日本には多数=装置には必須)が大いに貢献しているんですよね。

 

ある意味では、中小企業の社員があれだけの安月給で大手企業の下請けを担っているからこそ、上記の世界で戦えているメーカーがあるんです。

 

終身雇用制度が崩壊し、労働市場に大きな変化が起きたとき、確実につぶれる中小企業が存在します。

 

転職者だらけの中で、アナログな中小企業が仕事や技術の引継ぎを正確に出来るわけありません。

 

そうなると、大企業の国際競争力も必然的に低下すると思います。

 

格差は拡大する

 

終身雇用制度が崩壊するということは、使えない社員をリストラし、実力ある社員に還元するということです。

 

今までは実力ある若手が安月給で働いていた(1番の被害者)のですが、お荷物社員の給料が還元されるのです。

 

そうなると、実力ある人は高給取りになる一方、失業者は増えます。

 

これはつまり格差社会のスタートです。

 

若手や実力ある年輩者にとっては何ら不満も無いのですが(自業自得社会)、これからの日本は高齢化大国。

 

選挙では、お年寄りに都合の良い投票がなされます。

 

そうなると、実体経済と国政がねじれると思うんですよね。政治家としては、本音としては「働かざる者食うべからず」だとは思いますが、お年寄りに媚びなければ支持は増えません。

 

ただでさえ、日本企業は、海外の企業との競争に勝つのに必死なのに、これでは日本の国際競争力はますます低下する未来しか見えません。

 

 

今こそ外貨獲得のビジネスを!

 

そんなわけで、終身雇用制度が崩壊しようとしなかろうと、日本や日本企業は苦境に立たされているということが分かります。

 

そしてこれからはもっともっとリストラが加速します。

 

「リストラ」という言葉を使わなくても、減給は不可避です。

 

三菱UFJの「男性社員は全員育児休暇」という指示も、会社からしたら、固定費を安く抑えるための策ですよね。

 

総合電機メーカーも、こっそり子会社への転籍を行っています。

 

これからは国際競争力のない企業ほどどんどんリストラが加速していきます。

 

そんな時代だからこそ、副業が当たり前の時代が来ます。

 

今はアフィリエイトや転売が流行っていますけど、これからはそんな「国内市場を奪い合うビジネス」は飽和していくことでしょう。

 

だからこそ、我々は「外貨を獲得できるビジネス」をしなければなりません。

 

トレードも、その手段の1つです。

 

日本人は海外投資家からいつだって搾取されています。

 

しかし、トレードがうまくなって日本人で勝てる人が増えれば、日本に外貨が落ちてくるようになります。

 

トレードでなくとも、外貨を獲得できるビジネスの方が、今後の成長が期待できると思います。

 

どうせ何かをやるなら、小さいパイの取り合いをしないで、外貨を獲得できるようなビジネスをやりたいですね。

 

私自身も、何かそういったことが出来ないかな?と考え中です。

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この記事の著者

Rid

とある化学メーカー勤務のサラリーマン。部署内、歴代最速で昇級。歴代最速で新卒の指導員。製造業の現場から、経済を俯瞰している現場の沸騰経済学者。科学の発展と経済の未来を考えるのが好き。
一方では、会社員での給料を元手に投資の世界へ。為替を主戦場として、金融の世界からも世界経済を観察している。

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