証拠金維持率とは?

上記の仕組みは、要するに、
借金を負う前に、取引業者が勝手に「ロスカット」して取引を決済させてしまうことなんですが、
分かりにくいので、
通常は証拠金維持率で判断できます。
証拠金維持率とは、必要な証拠金と実際に口座に入金されている資金との割合です。
例えば、現在口座に10万円入金されていると仮定します。
1ドル=100円のときレバレッジ25倍の取引で1万ドル分の購入をすると、
100円/ドル × 10,000ドル = 1,000,000円
1,000,000円 ÷ 25 = 40,000円
となることから取引に必要な証拠金は、4万円です。
このときの証拠金維持率は、
10万円 ÷ 4万円 × 100 = 250%
となります。
ロスカットのパーセンテージとアラート

上の例ではロスカットレベルを50%と仮定しましたが、
ロスカットレベルはFX取引業者によって異なります。
投資家による事前設定が可能な業者もあるので、取引を行う前に確認するとよいでしょう。
ロスカットに対する投資家側の対応としては、追加の証拠金(いわゆる追証)を預け入れるか、
手持ちの外貨を一部決済して証拠金維持率を引き上げるといった対処が必要となります。
なお、ロスカットはいきなり実施せず、事前にアラートメールなどを使い、投資家に注意喚起や警告を行うのが一般的です。
一般的にはロスカットレベル50%の業者で証拠金維持率が75%に達したときにメール配信を行うようなケースが普通です。
突発的な値動きに要注意!

以上のように、アラートメールによる注意喚起やロスカットなどにより、
証拠金以上の損失発生への対策は講じられてはいます。
しかし冒頭でも述べた通り、
為替レートが急激に変動した場合には為替相場がロスカットの水準から大幅に乖離し、
預け入れた証拠金以上の損失が発生することがあるんですね。
それでは、証拠金以上の損失が発生する危険性が高いのは、どのような場合でしょうか。
最もリスクが高いのは、戦争やテロの勃発、金融危機の発生、自然災害などに伴い予期せぬ事件が起きた場合などです。
こうしたときはそれまでの相場の流れは、完全に無効となってしまいます。
週明けの窓にも注意

また、外国為替市場が閉まる土日を挟んだ週明けも要注意です。
例えば、金曜日に米国雇用統計などの重要な経済指標が発表され、
その数値が事前の市場予想と大きくかけ離れた内容だった場合ですよね。
他には、相場に大きく影響する要人発言があった場合、著しい大口取引があった場合などにも、同様に週明けに相場が大きく変動する可能性があります。
このような場合、外国為替相場のローソク足チャートを確認すると、前営業日の終値と翌営業日の始値が不自然に大きくかけ離れていることがあります。
この空間をギャップ(窓)といいます。
窓が開いた後は、極めて短時間のうちに為替相場が落ち着きを取り戻すことが多いのですが、
その前に損失が確定してしまうことは充分考えられます。
おわりに
心配なら証拠金を多めに預け入れておく、証拠金のほとんどを使う取引を避ける、買いと売り両方のポジションを建てておく、など、
自分なりの対策を講じておく必要があるでしょう。
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