
こんにちは。下落相場で自己投資に勤しむブログ主・ゆう係長と申します。
今回は読書録です。穂高唯希さん『本気でFIREをめざす人のための資産形成入門』(実務教育出版)を読んだ感想を、備忘録としてまとめます。
読んだだけだと、すぐに忘れて行くんです…。だからこのブログをアウトプットの場にして、この本の考え方を取り込んでいきたいと思います。
この良書の魅力が、多くの人に届くことを願いつつ――。
「エリート会社員、入金力が高いだけ」と思っていた
著者は「三菱サラリーマンが株式投資でセミリタイア目指してみた」のブログ主。金融資産7000万円、入社から7年半・30歳でFIREを実現させたツワモノさんです。
入社初日にセミリタイアを志したということで、これもすごい。
普通でいなければならない、型にはまった言動が評価される会社を「豚舎」、会社員である自身を「豚」と揶揄するあたりに働き方(おそらく日本企業の問題だと思いますが)に対する強烈な問題意識を抱いていたのだと思います。
慶応卒、海外留学経験のあるの三菱サラリーマン――。これだけ聞くと高給取り。「なんだ結局、入金力が高いからFIREできたのだろう」と、正直最初は思っていました。
しかし、それは私の誤解でした。
この書籍は高配当・増配株投資による資産形成を推奨しています。米国を中心に日本英国などの高配当・増配株を淡々と買い付ける投資戦略です。本書では具体的な銘柄やポートフォリまで公開されています。
資産形成の要諦は「支出の最適化」

ただ、私が最も面白いと感じたのは、投資活動の前提に「支出を最適化」することを強調している点です。
つまり「節約」です。筆者は節約の語感に含まれるネガティブなニュアンスを避けるため、「脂質の最適化」と表現しているようです。
そして「資産形成の基礎は、支出の最適化(節約)にあり」と断言しています。
これには正直、ハッとさせられました。投資となると運用利回りに目が行きがちです。もちろんこれも重要ですが、筆者が基礎を徹底することを非常に重視しています。
家賃や通信費などの固定費、ペットボトルや飲み会、書籍や交際費まで、様々な支出を最適化させるポイントが網羅的に紹介されていました(支出最適化15選)。
- ペッドボトル飲料水を買わず、水筒持参
- タバコを買わず、タバコ株をかえ
- 飲み物は白湯でOK
- デートは、公園で手作り弁当ピクニック
- 書籍は図書館利用(新刊は予約)
- 会社の飲み会は必要最低限
- 株主優待を活用すべし
- 散髪はフルカットか、1000円カット
- 携帯は格安SIM
- プールや事務は公共施設を活用
- コンビニでの買い物は避けよ
- 買い物カートは使わない
- 支払いは現金ではなくクレジットカードで
- 保険には入らない
- 階段は資源
収入を少しでも増やすには、相当な努力や時間が必要です。しかし、節約…。おっと、「脂質の最適化」ならタダでできます。習慣化したものを修正するには多少のストレスがかかるでしょうが、逆に慣れてしまえばこっちのものです。
再認識:お金持ちになるには小さなことの積み重ね
支出の最適化で確保した大切な資金。これをベースに「収入の8割」を株式の買い付けに当てる地味な単純作業を継続した――。これが筆者・穂高さんの凄みであり、本書の強烈なメッセージになっていると感じます。
できそうで、なかなかできない「支出の最適化」。それを長年やり遂げたことで、筆者は7年半でFIREを有言実行できたのでしょう。
お金持ちになることは、実は地道で小さなことの積み重ねなのだと認識を新たにしました。そんな学びの多い一冊でした。