投資信託

【隠れコストに要注意】人気の投資信託の「実質コスト」を運用報告書からまとめてみた

投資信託の手数料は、本当はいくらなのか…。これが今回のテーマです。

ゆう係長

当ブログにお越しいただき、ありがとうございます。

ブログ主は投資歴5年になる30代会社員です。2018年から投資信託をメインに積立投資をしてきました。

あまり深く考えず、なんとなく始めた経緯から、これまで様々な疑問を放置してきました。

その一つが投資信託の手数料、いわゆる「隠れコスト」です。

ゆう係長

投資信託の手数料はとにかくわかりにくい…。

2022年は下落相場ということで、過去の投資を振り返り疑問を一つ一つ解消していこうと思いブログを書いております。

後半で人気の投資信託を題材に、隠れコストがどれほど存在しているのか見ていきます。

隠れコストを含めた実質的なコストはいくらなのか――。「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2021」の投資信託を対象にしたいと思います。今回はETF(上場投資信託)を除く9の投資信託を見ていきます。

投資信託にかかる全コスト

投資信託のコストの全体像

投資信託で資産運用をする際に発生する全コストを見ていきます。私たち個人投資家が、投資信託の取引をする際に発生する手数料などです。

【購入時だけ負担】

  • 購入時手数料(※0円のものも=ノーロード)

【運用中ずっと負担】

  • 運用管理費用(信託報酬)
  • 買委託手数料(=隠れコスト)
  • 有価証券取引税(=隠れコスト)
  • 監査報酬など、その他費用(=隠れコスト)

【売却時だけ負担】

  • 信託財産留保額
  • 換金時手数料

楽天証券のホームページの、各ファンドのページでコストの一部が確認できます。

購入時手数料の「買付手数料」、運用期間中にずっとかかる「管理費用(含む信託報酬)」、ページの下には運用管理費用がどこに、どれほどの割合で支払われているかが見られます。

出典=楽天証券ホームページ
出典=楽天証券ホームページ

目論見書で確認できること

より詳細に確認する場合は「投資信託説明書」(交付目論見書)で確認できます。

大人気の投資信託、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の投資信託説明書を見てみます。

購入時手数料はなし、売却時にかかる信託財産留保額なし。信託手数料は「年率0.1144%(税込み)」と明示されています。低コストで、本当に優秀なファンドです。

出典=eMAXIS Slim全世界株式の投資信託説明書(2022年2月28日版)

コストは、信託報酬でお馴染みの運用管理手数料に注目が集まります。預けている期間はずっと負担するので、費用の高低が資産運用の成果に響くからです。

しかし、それ以外にも運用期間中に支払うコストがあります。それが「隠れコスト」です。

隠れコストとは

いわゆる「隠れコスト」は、上の表で太字にした運用時にかかるコストの一部です。運用管理費用(信託報酬)以外のその他の経費、手数料を指します。

再びeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の投資信託説明書を見てみます。

出典=eMAXIS Slim全世界株式の投資信託説明書(2022年2月28日版)

その他の経費、手数料は監査法人に支払われるファンドの監査費用、ファンドの中で発生した費用などです。

隠れコストは証券会社が意図的に隠しているわけではなく、保有金額などが変わっていくためあらかじめ金額をかけないから、というわけです。

隠れコストは、決算時に出される運用報告書で確認する必要があります。

ゆう係長

隠れコストを含めた全コストを運用報告書から見ていきましょう!

運用報告書で見る「隠れコスト」と「実質コスト」

運用報告報告書は、投資信託が決算を迎えるごとに作成される書類です。運用の成果や騰落率、そして期間中にどれぐらいのコストが発生したかなどが記載されています。

今度は、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の運用報告書を見てみます。隠れコストが、しっかり書かれていますね。

  • (a)信託報酬…………運用管理手数料
  • (b)売買委託手数料…隠れコスト
  • (c)有価証券取引税…隠れコスト
  • (d)その他経費………隠れコスト (a)+(b)+(c)+(d)=実質コスト0.178%
出典=eMAXIS Slim全世界株式の運用報告書(第3期、2022年4月26日)

この表を見ると、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の2020年4月から1年間で生じた「隠れコスト」は、(b)売買管理手数料の0.01%、(c)有価証券取引税の0.018%、(d)その他費用の0.033%の合計0.061%でした。

運用管理費用(信託報酬)と隠れコストの合計0.178%が、運用中の投資家が負担した「実質コスト」となります。

運用管理費用(信託報酬)のような表面コストですら0.1%台。隠れコストを加えても0.1%台の低コスト・優秀な投資信託であることがわかります。

【投資信託の実質コストまとめ】

コストの発生時 コストの種類 目論見書 運用報告書
購入時に支払うコスト 購入手数料 なし なし
運用中に支払うコスト 信託報酬(年率・税込み) 0.1144%程度 0.117%
売買委託手数料 記載なし 0.010%
有価証券取引税 記載なし 0.018%
その他費用 記載なし 0.033%
売却時に支払うコスト 信託財産留保分 なし なし
実質コスト 記載なし 0.178%

※赤字=隠れコスト

この数字を見ると、隠れコストなんて大したこと無いと思われるかもしれませんが、知っておくことは一人の個人投資家として、とても大事だと感じます。

人気の投資信託の「隠れコスト」と「実質コスト」

ここからは、「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2021」の投資信託を対象に、隠れコストと実質コストがいくらだったのかを検証して行きます。

今回はETF(上場投資信託)を除く9の投資信託を見ていきます。みなさまの参考になれば幸いです。

順位 ファンド名 目論見書ベース 運用報告書ベース
管理費用(含む信託報酬)(※1) 表面コスト(信託報酬) 隠れコスト 実質コスト
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 0.1144% 0.117% 0.061% 0.178%
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド 0.1023% 0.103% 0.056% 0.160%
バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT) 0.07%
4 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 0.0968% 0.098% 0.026% 0.124%
5 iFree レバレッジ NASDAQ100 0.99% 0. 987% 0.175% 1.162%
6 eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 0.1023% 0.101% 0.045% 0.146%
7 セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド 0.58% 0.506% 0.001% 0.507%
8 楽天・全米株式インデックス・ファンド 0.162% 0.132% 0.025% 0.157%
9 たわらノーロード 先進国株式 0.10989% 0.110% 0.070% 0.179%
10 SBI・V・全米株式インデックス・ファンド 0.0938%程度

出典=各ファンドの運用報告書、目論見書より筆者作成

10位のSBI・V・全米株式インデックスファンドは、誕生から間もないため運用報告書がありません。そのため空欄にしています。

いずれも目論見書ベースのコストと、実質コストには大きな乖離はありませんが、一桁増えると隠れコストの存在感を意識してしまいますね。

隠れコストは一つ一つ観察していかなければいけないので、機会を見てさらに調べたいと思います。