投資信託

【つみたてNISA】【実質コストまとめ】全世界株式インデックス・ファンド一覧

つみたてNISA対象の投資信託を「実質コスト」の観点から比較するシリーズ。今回は全世界株式インデックス編です。

なにかとファンドの騰落率が注目されますが、手数料をしっかりと検討するべきだと思います。手数料で「余計な損をしない」ことを目指したいですね。

つみたてNISA対象の全世界株式インデックス・ファンド

対象となる指数は「MSCI ACWI Index」と「FTSE Global All Cap Index」の2つ。対象ファンドはそれぞれ10本、3本の計13本です。

  1. たわらノーロード 全世界株式(アセットマネジメントOne)
  2. 全世界株式インデックス・ファンド(ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ)
  3. 野村つみたて外国株投信(野村アセットマネジメント)
  4. 三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンド(三井住友DSアセットマネジメント)
  5. eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) (三菱UFJ国際投信
  6. eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(三菱UFJ国際投信)
  7. eMAXIS 全世界株式インデックス(三菱UFJ国際投信)
  8. つみたて全世界株式 (三菱UFJ国際投信)
  9. Smart−i Select 全世界株式インデックス (りそなアセットマネジメント)
  10. Smart−i Select 全世界株式インデックス(除く日本) (りそなアセットマネジメント)
  11. SBI・全世界株式インデックス・ファンド(SBIアセットマネジメント)
  12. SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド(SBIアセットマネジメント)
  13. 楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天投信投資顧問)

MSCI ACWI Indexに連動する対象ファンド

MSCI ACWIの指数に連動するつみたてNISA対象の投資信託は以下の10本です。下の表は、最新の運用報告書に書かれてある「実質コスト」の低い順に並べています。

ゆう係長

実質コスト最安は、安定のeMAXIS Slim 全世界株式。通称オルカン!

オルカンは信託報酬も最安、実質コストでも最安。文句なしの首位となりました。

注目すべきは、表面的なコストである信託報酬は低く抑えられても、実質コストで順位を落としているファンドです。たわらノーロード 全世界株式はその点で惜しい結果となりました。

2022年4月、新たに2つのファンドが誕生し、つみたてNISA対象となりました。りそなアセットマネジメントのSmart−i Select 全世界株式インデックスの2ファンドです。

明らかにeMAXIS Slim 全世界株式を意識した信託報酬率を設定しています。まだ1年が経過しておらず運用報告書が出されていないため実質コストは未確定です。実質コスト如何で首位に躍り出る可能性もあるので、今後の展開が楽しみです。

MSCI ACWI Indexとは

上記の10本の投資信託が連動を目指している株価指数「MSCI ACWI Index」とは、どのような指数なのでしょうか。

MSCI ACWI Indexは、米国のMSCI社が提供する株式指数です。ACWIはオール・カントリー・ワールド・インデックスの頭文字です。

公式サイトによると、対象は先進国23カ国と新興国24カ国に上場する大・中型株(23の先進国・地域、27の新興国・地域)。2900以上の銘柄で構成されています。浮動株調整後時価総額加重平均で、グローバルの株式市場の約85%をカバーしています。

構成銘柄を全体で見渡すと米国企業の比率が圧倒的で、全体の約6割を占めています。eMAXIS Slim 全世界株式を例にとり構成銘柄の上位10位を見てみます。月次レポート(2022年4月28日時点)を参考にしています。

  銘柄 国名 構成比率
1 APPLE INC アメリカ 4.1%
2 MICROSOFT CORP アメリカ 3.2%
3 AMAZON.COM INC アメリカ 2.0%
4 TESLA INC アメリカ 1.2%
5 ALPHABET INC-CL A アメリカ 1.1%
6 ALPHABET INC-CL C アメリカ 1.0%
7 UNITEDHEALTH GROUP INC アメリカ 0.8%
8 JOHNSON & JOHNSON アメリカ 0.8%
9 NVIDIA CORP アメリカ 0.7%
10 TAIWAN SEMICONDUCTOR MANUFAC 台湾 0.7%

FTSE Global All Cap Indexに連動する対象ファンド

FTSE Global All Cap Indexに連動するつみたてNISA対象の投資信託は以下の3本です。こちらも最新版の運用報告書にある「実質コスト」の低い順に並べています。

SBI証券VS楽天証券の、とてもシンプルな争いです。

まず騰落率をMSCI ACWI Indexに連動する対象ファンドと比較してみると、わずかながらFTSE Global All Cap Indexに連動するこちらのファンドの成績が若干負けています。その理由は、後述するインデックスの中身を見て確認しましょう。

コスト面で最優秀のSBI・全世界株式インデックス・ファンド(雪だるま・全世界株式)は、低コストを標榜するSBIの肝いりファンドです。

バンガード社のETF(VT)など3つの米国ETFに投資することで、米国、先進国、新興国の株式に投資する形を取ります。これはコスト面で有利です。

ETFの経費率がコストとして上乗せされますが、年率0.042%程度と安価に抑えられる想定です(目論見書より)。信託報酬も0.0682%で13本の中でも最低コストです(MSCI ACWI Indexに連動する10本のファンドは直接株価に投資するため売買コスト等が発生します)。

FTSE Global All Cap Indexとは

上記の3本の投資信託が連動を目指している株価指数「FTSE Global All Cap Index」とは、どのような指数なのでしょうか。

FTSE Global All Cap Indexは、英FTSE社が算出している時価総額加重平均型の株式指数です。ファクトシートによると、対象は先進国と新興国の合計48カ国・地域に上場する大・中・小型株。構成銘柄は9446に上ります。

国別では米国比率がトップの59.21%。次に日本の6.07%となります。米国株に大きく依存しているのはMSCI ACWI Indexと同様です。

構成銘柄の上位10位は以下の通りです。顔ぶれはMSCI ACWI Indexと同じですが、構成銘柄総数が多いため、比率は少しばかり抑えられています。

  銘柄 国名 構成比率
1 APPLE INC アメリカ 3.35%
2 MICROSOFT CORP アメリカ 2.99%
3 AMAZON.COM INC アメリカ 1.52%
4 ALPHABET INC-CL A アメリカ 1.00%
5 TESLA INC アメリカ 0.92%
6 ALPHABET INC-CL C アメリカ 0.92%
7 JOHNSON & JOHNSON アメリカ 0.69%
8 UNITEDHEALTH GROUP INC アメリカ 0.68%
9 TAIWAN SEMICONDUCTOR MANUFAC 台湾 0.68%
10 NVIDIA CORP アメリカ 0.65%

3つのファンドの相違点(投資先ETF)

この3つのファンドは、同じ株価指数に連動する投資成果を目指すファンドですが、投資対象とするETFに相違点があります。

SBI・全世界株式インデックス・ファンド

まずはSBI・全世界株式インデックス・ファンド。投資対象は、

  • VTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)…米国株6割
  • SPDW(SPDR ポートフォリオ・ディベロップド・ワールド(除く米国)ETF)…先進国株3割
  • SPEM(SPDR ポートフォリオ・エマージングマーケッツ ETF)…新興国株1割
出典:SBI・全世界株式インデックス・ファンドの目論見書

楽天・全世界株式インデックス・ファンド

一方の楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)は、信託報酬(2022年2月、0.212%程度から年0.202%程度に変更)・実質コストの両者でSBIのファンドに敗北。騰落率で誤差の範囲のような勝利をあげているに過ぎません。

楽天VT は2022年4月に組入銘柄を変更。VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)の単独でしたが2つのETFが新たに加わりました。

投資対象は、

  • VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)…全世界株
  • VTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)…米国株
  • VXUS(バンガード・トータル・インターナショナル・ストックETF)…全世界株(除く米国)
出典:楽天・全世界株式インデックス・ファンド目論見書

とはいえ、4月時点の月次レポートによると、組入銘柄が変更になってもVTの組入資産比率が97.3%です。ほとんど組入銘柄の変更前と変わっていません。今後に注目です。

この2つの違いは、実質コストと投資先ETFです。投資先ETFの特徴から、米国比率に若干の差異が生まれることが予想されます。よって、SBIは「最安コストで全世界分散」楽天は「低コストで米国比率やや高めの全世界分散」という形になっていくかもしれません。

SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド

最後に、今年1月に誕生したSBI・V・全世界株式インデックス・ファンド。バンガード社のETFに投資するVシリーズで、組入変更前の楽天VTと同じくVTに投資するファンドです。

出典:SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド目論見書

投資先がVTのみと非常にシンプルで、逆を行く楽天VTに対する批判的なコメントも散見されています。バンガード社ファンが多く、ファンドの人気は高まっていきそうですね。