
人生初めてETFを買いました。しかもインバース。ベア型です。
下落相場で毎日資産評価額が減るばかり…。ヘッジのため、いや、下落相場を生かして資産拡大を図りたい――。そんな思いが強くなっていきました。
これまで長期積立を軸に投資を続けてきました。毎月の積立も継続しています。
その長期戦略とは別に、中短期向けの資産拡大策を実行することにしました。
予算総額は100万円。本稿は、ETFデビューの記録と、ベア型の運用結果の記録です。
スポット購入したベア型投資信託・ETF
スポット購入したベア型投資信託はこの2つ。しかもレバレッジ型です。デビューにしては攻めすぎな感じですが…。相場は下がると確信していたので、購入しました。
予算額は100万円ですが、購入額は4月から徐々に買い増し約65万円、現金35万円はママにして行きました。
- NASDAQ100 3倍ベア
- 日々の基準価額の値動きがNASDAQ100指数(米ドルベース)の値動きの3倍程度逆となること目指して運用を行う投資信託。為替ヘッジあり。
- 購入時基準価格:3758円、購入口数26万6100口、投資額10万円
- 購入時基準価格:4490円、購入口数89万0869口、投資額40万円
- SOSX(Direxion デイリー 半導体株 ベア 3倍 ETF)
- PHLXセミコンダクター・セクター指数のインバースの300%のパフォーマンスに連動する投資成果を目指すETF。
- 購入時価格:41.22ドル、20株、投資額10万7037円
- 購入時価格:40.57ドル、10株、投資額5万3407円
今回の下落相場の震源地はNASDAQ、GAFAM銘柄。そう考えるとNASDAQと相関する半導体関連のベア型ETFが投資対象として適切だと判断しました。

6月19日現在のNASDAQ100指数のチャートです。数分、数時間単位で日々の値動きを追うことはしませんが、「月足レベルの下落トレンド」が発生していることがわかります。
私がベア型投資信託、ETFを短中期の資産拡大のツールに使おうと考えた理由です。トレンドに逆らわないこと。資産を守りつつ、できるだけ増やす最適な方法だと考えています。
初めてということで投資期間は次のFOMCまでにしました。暴落時に躊躇なく売ることがルール。これがどうなったのかを見ていきましょう!
2カ月間の運用成果
結論から言えば、計26万0895円のプラスとなりました。4月から買い増しを続け、6月14日に一旦利益を確定しました。
投資額 | 実現損益 | |
NASDAQ100 3倍ベア | 50万円 | +18万1802円 |
SOXS | 16万0444円(30株) | +7万9093円 |
+26万0895円 |
まだまだ下がるとは思いますが、6月FOMCの直前に発生した暴落時(ベア型にとっては大暴騰!)に売るというマイルールに従って利確をした次第です。
なかなか刺激的で、悪くない結果だと思います。ただ…。
長期投資の投資信託の評価額は大幅に減っているので、資産総額で見ればトントン。ヘッジとしては役に立ったという印象です。
長期用の積立投資は継続しているため、その資産総額が大きく減少しているため、総額で見ればこの利益を手放しでは喜べません。
この投資金額では、資産を守る防衛手段の一つ、あるいは保険のようなものに過ぎないのだと考えています。浮かれることは決してできません。
感想――投資信託は使い勝手が悪い
運用をしてみて感じたのは、「投資信託は短期運用しにくい」こと。特にレバレッジ型の投資信託はタイミングをみて買いにくい、売りにくいのが非常に大きな難点です。
理由① 注文しても約定単価の決定は翌営業日
注文後に海外相場の動き次第では、スタート時点で予想外の高値で購入する恐れがあります。これがちょっとストレスを感じます。

これは売るときも同様です。大暴落(ベア型の場合は大暴騰)した日に売り注文を出しても、その後の海外相場が反転・大暴騰した場合、利益が予想外に小さくなります。この時差とテンポの遅さが非常にストレスを感じました。
理由② レバレッジ型投資信託の減価
「レバレッジ型の投資信託」最大の難点は、やはり減価ですね。今回の投資で減価の悪影響を実感しました。
上がったり、下がったりする相場では持っているだけで損をする――。ファンド保有期間が2日以上の場合の投資成果は、必ず3倍(あるいは2倍)になるわけではないのです。
下図が一番わかりやすいですね。投資を始めた日の基準価格を100 として、その後上下動を繰り返し、4日目で再び基準価格が100に戻ってきたケースです。

指数は100に戻っても、レバレッジ型投資信託の基準価格は100にならない!
その日ごとに、2倍、3倍の動きをするため、指標が100に戻っても基準価格が100に戻らない事態が発生します。
横横の相場では、持っているだけで損をふくらませる恐れがあるんですね…。これはかなりストレスを感じました。
いくら「月足レベルの下落トレンド」と言っても、日足レベルでは調整(反転上昇)を繰り返します。そのため、一時的に含み損を抱えることもありました。
長く持っているだけで損をするため、長期では避けたほうが良いと再確認しました。
ETFのほうが明らかに便利だった
実験的に購入したSOXSですが、これは本当に良かったです。
手数料はかかりますが…「買いたい時に買える」「売りたい時に売れる」ことがストレスにならず、安心感がありました。
レバレッジ型ETFも、レバレッジ型投資信託と同様に減価します。株価が反転上昇したら損をしますし、横横の動きを繰り返すボックス相場でも損が膨らみます。
しかし、いつでも自分が売りたい価格で売れる、買えるという選択肢があることでそのストレスはあまり感じませんでした。
中短期でレバレッジ型を運用する場合は投資信託よりも、自由度の高いETFが自分には向いていると思った次第です。
当面は下落相場を生かした中短期戦略を続けます。ストレスなく続けて、利益を上げることを重視したいですね。
私の下落相場への向き合い方
下落相場との向き合い方は様々です。
私は「月足レベルの下落トレンド」というポイントを重視していますので、買い増し戦略には慎重になっています。もちろん長期積立は継続中ですが、短期的にスポットで買い増しをすることはしません。それが、絶対守るべきマイルール。
- リスク回避でポジションを減らし、耐え忍ぶ
- 大底によるリバウンド狙い(買い増し戦略)
- ディフェンシブ銘柄の購入(買い増し戦略)
- 上昇継続中の銘柄・セクターに投資する(買い増し戦略)
- ショートで儲ける
- ベア型ETF・投資信託を購入する
- ドルコスト平均法の長期戦略を続ける
- 投資をやめる
以上のリストでいえば、①はすでに完了し、②〜④の買い増し戦略はマイルール上NG。⑤は信用取引で抵抗があります。
よって、⑥は中短期、⑦は長期と分けて2つの戦略を同時並行で進め、資産を守り・増やすことを目指しています。
以上、下落相場を生かした資産運用戦略(第一弾の結果)を振り返りました。
信用取引はせず、予算総額と、期間を定めて逆風を順風に変える。この方針のもと下落相場を傍観するだけでなく、その流れについていくシンプルな運用なら底を探らずに、資産を守る(あわよくば増やす)ことを目指して、今後も投資を続けていこうと思います。