投資信託

SBI・Vシリーズのどれに投資をすればいいのか、かなり悩む

ゆう係長

本日のテーマはSBI・Vシリーズです!

低コストの投資信託に注目が集まる「SBI・Vシリーズ」を深掘りしていこうというのが、今回の企画です。

SBI・Vシリーズは全部で4つあります。バンガード社のETF(上場投資信託)に投資する投資信託のラインナップは楽天と全く同じです。

  • SBI・V・S&P500(SBI・VOO)
  • SBI・V・全米株式(SBI・VTI)
  • SBI・V・米国好配当株式(SBI・VYM)
  • SBI・V・全世界株式(SBI・VT)

私は楽天経済圏の住民で、なにも考えずに楽天証券で楽天全米株式などのインデックス・ファンドに積立投資を行っています。

しかし、手数料が少ないSVI・Vシリーズはとても魅力的です。将来的には乗り換えも考えたいと思っています。

そこで、これまでずっと放置してきた疑問を調べたのでブログに記すことにしました。その疑問とは…。

ゆう係長

eMAXIS Slimシリーズ、楽天のVシリーズと何が違うの? どの投資信託が自分に向いているの?

という根本的な疑問です。私は投資を始めた時になんとなく選んでしまいましたが、やはり判断基準は持っておきべきだったと思います。

まずは4つのSBI・Vシリーズの特徴を観察しながら、楽天とeMAXIS Slimシリーズと比べて具体的に何が違うのかを見ていこうと思います。

SBI・Vシリーズの概要

SBI・Vシリーズの基本情報

SBI・Vシリーズは、SBI アセットマネジメント社のインデックス・ファンドです。世界最大級の投信会社のバンガード社と共同で組成した投資信託となります。

Vシリーズの4つの投資信託は、バンガード社の米国ETF(上場投資信託)に投資をする形で、間接的に米国企業の個別株に投資しています。

それぞれの特徴を一覧にまとめました。最大の特徴は「管理手数料の安さ」です。

ファンド名 SBI・V・S&P500 SBI・V・全米株式 SBI・V・米国高配当株式 SBI・V・全世界株式
投資対象ETF VOO VTI VYM VT
投資対象ETFの特徴 米国を代表する企業500社の株式にまとめて投資 米国を代表する企業4000社の株式にまとめて投資 米国の企業のうち約400社の高配当銘柄の株式に投資 新興国を含む全世界の株式、約2900社に投資
ETFのベンチマーク S&P500 CRSP USトータル・マーケット・インデックス FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス
ETF経費率 年0.03%程度 年0.03%程度 年0.06%程度 年0.07%程度
信託報酬(税込み) 年0.0638%程度
管理低数料
(実質的負担、税込み)
年0.0938%程度 年0.0938%程度 年0.1238%程度 年0.1338%程度
つみたてNISA ×
設定日 2019年9月26日 2021年6月29日 2021年6月29日 2022年1月31
純資産額 5497億円 716億円 90億円 72億円

長期投資を前提にすれば、手数料にこだわりたい方は多いと思います。わずかの差でも10年、20年、30年と払い続けることになるので超重要なポイントだと思います。

SBI・Vシリーズなら高くても手数料が0.1%台で、どれも安価なので安心ですね。

各ETFの過去5年パフォーマンス

SBI・Vシリーズはどれも若いインデックス・ファンドです。そのため過去のパフォーマンスは、実質的な投資先のETFの動きを参考に見ていく必要があります。

過去5年間の値動きを見ています。

下図は2017年5月を基準にどれだけ値上がりしたのかを示しています。

VOO(SBI・V・S&P500の投資先)とVTI(SBI・V・全米株式の投資先)が60%以上も上昇しています。

VT(SBI・V・全世界株式の投資先)はVOOとVTIと同じ線形ですが、2020年のコロナショック以降は大きく差をつけられていることがわかります。

VYM(SBI・V・米国高配当株式の投資先)はコロナショック以降の急上昇は見られず、淡々と緩やかな右肩上がりと続けている印象です。2021年の上昇相場で上がりきらなかったためか、2022年からの下落相場の影響も比較的小さいことがわかります。

紫=VOO、水色=VTI、桃=VYM、赤=VT

各ETFの年初来パフォーマンス

次に2022年の年初来の動きだけを見てみます。下図は2022年の年初を基準に、どれだけ下がったのかを示しています。

VOO(SBI・V・S&P500の投資先)、VTI(SBI・V・全米株式の投資先)、VT(SBI・V・全世界株式の投資先)がほぼ同じ値動きをしていますね。

一方のVYM(SBI・V・米国高配当株式の投資先)は下落が緩やかで比較的堅調です。高配当銘柄は景気に左右されない企業が多く含まれているので、安心感がありますね。

紫=VOO、水色=VTI、桃=VYM、赤=VT

組み入れ銘柄上位10銘柄の比較

各ファンドの投資対象であるバンガード社の米国ETFの中身を見ていきます。

表を見れば一目瞭然ですが、ほぼ同じです。

上図で示したように、VOO、VTI、VTが同じような値動きを続けていたのも組み入れ銘柄を見れば理解できますね!GAFAM銘柄の価格動向が大きな影響力を持っています。

SBI・V・米国高配当株式は独自色を出しています。GAFA銘柄は配当を出さないため、高配当株には該当しませんので、組み入れられてはいません。

SBI・V・S&P500 SBI・V・全米株式 SBI・V・米国高配当株式 SBI・V・全世界株式
VOO VTI VYM VT
アップル 6.70% アップル 5.59% JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー 3.55% アップル 3.4%
マイクロソフト 6.41% マイクロソフト 5.35% ホーム・デポ 3.21% マイクロソフト 3.3%
アルファベット 4.28% アルファベット 3.51% ジョンソン&ジョンソン 3.09% アルファベット 2.2%
アマゾン・ドット・コム 3.94% アマゾン・ドット・コム 3.25% プロクター・アンド・ギャンブル(P&G) 2.65% アマゾン・ドット・コム 2.0%
テスラ 2.40% テスラ 1.98% バンク・オブ・アメリカ 2.48% テスラ 1.2%
エヌビディア 2.10% エヌビディア 1.67% ファイザー 2.26% エヌビディア 1.0%
メタ・プラットフォームズ 2.00% メタ・プラットフォームズ 1.67% エクソンモービル 1.91% メタ・プラットフォームズ 1.0%
バークシャー・ハサウェイ 1.32% バークシャー・ハサウェイ 1.05% シスコシステムズ 1.75% 台湾セミコンダクター 0.7%
JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー 1.23% JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー 1.02% コムキャスト 1.72% バークシャー・ハサウェイ 0.7%
ホーム・デポ 1.10% ホーム・デポ 0.91% ブロードコム 1.67% JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー 0.6%
2021年11月30日時点

ほぼ組入銘柄は同じですが、比率には違いがあります。

GAFAM銘柄の比率を見てみましょう。最近の下落相場でGAFAM銘柄は調子が良くないので、重要なポイントになると思います。

GAFAM比率

上の表からGAFAM銘柄をピックアップして、比率をまとめました。

SBI・V・S&P500SBI・V・全米株式SBI・V・米国高配当株式SBI・V・全世界株式
23.33%19.37%0%11.9%

GAFAM銘柄の将来性を信じるのであれば、SBI・V・S&P500に投資するのが最適解、最も効率がいい投資になるでしょう。

ただ、懸念されるのはGAFAMなどの巨大IT企業に対する規制強化の流れが加速するのではないか、というものです。米国とEU発の規制強化に向けた報道が散見されるため、過去10年で見られた急成長が再び起きるのかは正直疑問が残ります。

GAFAMの将来性、リスクとどう向き合うか。この観点を踏まえてファンドを選ぶべきだと感じます。投資を始めたばかりのころの自分にそう言い聞かせたい…。

セクター比率

参考までに、4つのファンドのセクター比率もまとめました。

S&P500と全米株式に大きな差は見られませんが、全世界株式は比率の差が緩やかになっていることがわかります。

一方の米国高配当株式は、情報技術の割合が低く、金融や生活必需品、エネルギー、公益事業セクターの比率が高い結果となっています。

SBI・V・S&P500 SBI・V・全米株式 SBI・V・米国高配当株式 SBI・V・全世界株式
情報技術 30% 情報技術 29% 金融 22% 情報技術 20.78%
一般消費財サービス 13% ヘルスケア 13% ヘルスケア 13% 金融

14.50%

ヘルスケア 13% 一般消費財サービス 13% 生活必需品 13% ヘルスケア 11.84%
金融 11% 金融 12% 情報技術 11% 一般消費財サービス 11.33%
コミュニケーションサービス 11% コミュニケーションサービス 10% 資本財サービス 9% 資本財サービス 10.41%
資本財サービス 8% 資本財サービス 9% 公益事業 8% コミュニケーションサービス 7.11%
生活必需品 6% 生活必需品 5% エネルギー 7% 生活必需品 7.03%
エネルギー 3% エネルギー 3% 一般消費財サービス 7% 素材 5.46%
不動産 3% 不動産 3% コミュニケーションサービス 5% エネルギー 4.70%
素材 2% 素材 3% 素材 5% 不動産 3.77%

まとめ

SBI・Vシリーズはいずれも手数料が安く、長期・積立・分散の資産運用をするなら、どのファンドでも間違いはありません。

ただ、2022年始からの下落相場で明らかなように、急落したGAFAMなどのハイテク・グロースとの距離感、アメリカ経済の見通しをどう考えるかによって、ファンドを選べば後悔のない選択ができると思います。

この記事では、3つの軸て考えることを提案したいと思います。①手数料、②安定か成長か、③GAFAMとの距離感の判断軸です。以下の表にまとめました。

判断軸①【手数料を最優先するか、しないか】

  • 手数料にこだわるなら「SBI・V・S&P500」「SBI・V・全米株式」

判断軸②【成長か、安定か】

  • 過去のパフォーマンス、米国経済の成長を重視するなら「SBI・V・S&P500」「SBI・V・全米株式」
  • より安定を目指すなら「SBI・V・米国高配当株式」

判断軸③【GAFAM銘柄をより重視するか、しないか】

  • GAFAM銘柄と成長を重視するなら「SBI・V・S&P500」
  • GAFAM銘柄はそこそこに抑えたいなら「SBI・V・全世界株式」
  • GAFAM銘柄よりも安定を重視するなら「SBI・V・米国高配当株式」
ゆう係長

私は、楽天の同様ファンドで、全米株式インデックスと米国高配当株式の合せ技で積立投資を続けています!

eMAXIS Slimと楽天のシリーズとの違い

SBI・Vシリーズとよく比較されるのが、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim」シリーズ楽天投信投資顧問の楽天版Vシリーズです。手数料を引き下げる競争を展開するなど、長期投資家にとってはありがたい三大シリーズとなっていますね。

SBI・Vシリーズを深く知るために、他社の競合ファンドとの違いを見ていきましょう。

  • SBI・V・S&P500
  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) ※楽天のVシリーズに対象商品なし

  • SBI・V・全米株式
  • 楽天・全米株式インデックス・ファンド ※eMAXIS Slimに対象商品なし

  • SBI・V・米国高配当株式
  • 楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド ※eMAXIS Slimに対象商品なし

  • SBI・V・全世界株式
  • 楽天・全世界株式・インデックスファンド
  • eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)

SBI・V・S&P500、eMAXIS Slim米国株式の違い

ファンド名 SBI・V・S&P500 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
投資対象 VOO 米国の株式
ベンチマーク S&P500指数(円換算ベース)

ベンチマークの特徴

米国を代表する500銘柄で構成
信託報酬率(年率・税込み) 0.0938%程度 0.0968%以内

SBI・V・全米株式、楽天・全米株式の違い

ファンド名 SBI・V・全米株式 楽天・全米株式
投資対象 VTI
ベンチマーク CRSP US to-taru ・マーケット・インデックス(円換算ベース)
ベンチマークの特徴 米国株式市場の投資可能銘柄のほぼ100%をカバー
信託報酬率(年率・税込み) 0.0938%程度 0.162%程度

SBI・V・米国高配当、楽天・米国高配当の違い

ファンド名 SBI・V・高配当株式 楽天・米国高配当株式
投資対象 VYM
ベンチマーク FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス(円換算ベース)
ベンチマークの特徴 米国の高い配当利回りを特徴とする企業(リートを除く)
信託報酬率(年率・税込み) 0.1238%程度 0.192%程度

SBI・V・全世界株式、eMAXIS Slim全世界株式、楽天・全世界株式の違い

ファンド名 SBI・V・全世界株式 楽天・全世界株式 eMAXIS Slim 全世界株式
投資対象 VT 世界の株式
ベンチマーク FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース) MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(円換算ベース)
ベンチマークの特徴 世界の投資可能な時価総額の98%以上をカバー 先進国23カ国と新興国25カ国の大・中型株で構成
信託報酬率(年率・税込み) 0.1338%程度 0.202%以内 0.1144%以内